アザラシ太平記 増税と年金について

増税と年金について 

税理士の立場からいわせてもらうと、「増税」という言葉には、複雑な思いがある。「増税」の仕組みを誰よりも早く理解し、早めの節税スキームをお客様に提案することができるという意味では、新たな顧客サービスのチャンスであるから、歓迎するべきことなのかもしれない。しかし、増税というマイナスな言葉の響きのみに単純に反応させられがちな納税者を相手にすることを考えると、「説明が面倒」であるとか、「税理士の責任じゃない」とか、陰鬱なイメージが頭をよぎる。さらには、「税制改正」されるわけだから、勉強をしなおす手間など考えてしまう。
よって、総じて、歓迎できるものではない。

税金税金というが、私にとっては社会保障の問題(年金、健康保険)のほうが大変である。中小企業では、本人負担分と同様の金額を会社が負担するのはとても大変なことであり、法令違反とわかっていながら、社会保険に加入しない会社が多々ある。また、社会保険庁側もこの実情をわかっているので、お目こぼしをしているような現状があるのも、また事実である。

先日巡回監査でとある顧問先の経理部長が「私なんか、病院なんて年に1回もいくことないのに、年間で60万もの健康保険料を支払っている」といわれて憤慨していたが、その気持ちもよくわかる。この60万もの社会保険料が、どのように年金や、医療費の財源として使用されるかが、もっと積極的に公表されなければならないと思う。

社会保険料の方が、税金よりも多額の負担になっていることに、以外と気がついていない方が多い。中小企業においては、法人税や所得税の節税は積極的に行われているため、実は実効税率は以外に低いものになっているのだ。それよりも、収入に対して待ったなしで賦課させられる社会保険料の方が、法人負担分をあわせると大変な金額になっていたりする。

そういえば、現在の年金の積立金は株式投資でそのほとんどが運用されており、黒字となっている。株価上昇に一役買っているのは、外国人の投資家もさることながら、個人のネットトレイダーたちである。そして彼らの多くは、退職金で得たお金を運用している老後の生活者たちである。すなわち、自分たちの年金の財源を自分たちで増やしている役割を担っているのである。

上場株式の10%税率税制も今年度の改正で延期された。

税制について考えるときは、保険制度も同時に考えていかなければならないのだ。








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